こんにちは!ku-koです。
新入社員を自部署で受け入れるにあたって、今の就職活動がどんな風に進んでいくのか、今の学生はどんな観点で仕事を選んでいるのか・・・気になったので調べてみました。
ku-koが就職したのは10数年前・・・採用活動をしていたのは約10年前・・・変化の激しい時代、色んなことが変わっていました。
せっかくなので、まとめたいと思います^^
この記事では、学生意識の変化とそれに伴い起こっていることについて、まとめます。
目次
1.学生の就職に対する意識の変化
2.起業・副業・兼業に対する意識の変化
3.ジョブ型新卒採用の増加
4.まとめ
1.学生の就職に対する意識の変化
まずは学生の「就職観」がここ10年でどう変わったかについてです。
※マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査より
10年スパンで見ると、東日本大震災やコロナ禍等、社会情勢の影響による増減はありますが、就職観(何のために働くか、何を大切に働くか)の順番はほとんど変わっていないな・・・という印象です。
2013年卒と2023年卒で「就職観について当てはまると思うもの」について選択した学生が多い順に並べて、比較表を作成しました。
2013年卒 | 2023年卒 |
---|---|
1.楽しく働きたい(31.0%) 2.個人の生活と仕事を両立させたい(20.6%) 3.人のためになる仕事をしたい(19.2%) 4.自分の夢のために働きたい 5.プライドの持てる仕事をしたい 6.社会に貢献したい 7.収入さえあればよい 8.出世したい | 1.楽しく働きたい(37.6%) 2.個人の生活と仕事を両立させたい(22.7%) 3.人のためになる仕事をしたい(13.5%) 4.自分の夢のために働きたい 5.収入さえあればよい 6.社会に貢献したい 7.プライドの持てる仕事をしたい 8.出世したい |
10年前と比べて2023年時点で逆転現象が起きているのは「収入さえあればよい」「プライドの持てる仕事をしたい」の優先順位です。(「収入さえあればよい」を選ぶ学生が増え、「プライドの持てる仕事をしたい」を選ぶ学生が減っています。)
これを単純に捉えると、「仕事内容より収入を選ぶ」学生が増えたということで、少しドライな印象を受けます。
次に「企業選択のポイント」がどう変わったか見ていきます。
※マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査より
10年前と比べて大きくポイントを上げているのが「安定した会社」「給料の良い会社」です。
逆に大きくポイントを下げているのが「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」「働きがいのある会社」です。
つまり「仕事内容や働きがいより、安定や収入を求める学生が増えている」ことが読み取れるデータであり、「企業選択のポイント」でも「就職観」と同じような傾向がみえます。
このデータだけを見ると、10年前と比べると、学生が「働くこと」に対してポジティブな印象を持っていないように感じます。
もちろんどちらが良い悪いの話ではなくて、情勢や社会の雰囲気等の様々な背景があって、このようなデータになっている、という話です。
ただ、自分の子どもたちが将来仕事を選択するシーンを想像すると、少し心配になってしまいました。キャリア支援でできることがありそうだな・・・と感じます。
2.起業・副業・兼業に対する意識の変化
一方で、今回調べていて1番驚いたのは、3人に1人が「入社後に起業・副業・兼業をしたい・続けたい」という意向を持っているというデータを見つけたことでした。
「すでに起業した会社を続けていきたい」4.6%
「入社後に起業したい」5.1%
「これまでやっていた仕事を副業・兼業として続けたい」5.0%
「入社後に副業・兼業を始めたい」21.0%
→なんと合計で35.7% ※就職白書2023より、2023年卒就職先確定者
ちなみに2022年卒のデータは上記4つの合計は29.9%であり、2022年卒と比較して2023年卒は5ポイント以上増加しているようです。
シンプルにここ10年の変化に驚きました・・・10年前のデータはありませんが、当時の体感値とは全く異なっています。
日本特有のメンバーシップ型雇用は、就職した会社にフルコミットすることが前提になっています。ですが、その前提ではこのような「起業・副業・兼業」をしたいという価値観に対応することは難しいでしょう。
現に副業OKの会社や週4日勤務を採用する会社等、増えてきていますね。
ここまでをまとめると・・・
学生が就職に際して企業を選ぶ時は、
・「安定した会社」「給料の良い会社」であることを重視し
・「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」「働きがいのある会社」であることは重視しない
というデータがある一方で、
・3人に1人が「入社後に起業・副業・兼業をしたい・続けたい」という意向を持っている
ここから透けて見えるのは、「所属する企業での仕事はある程度割り切っており、本当にやりたい仕事は企業・副業・兼業で実現する」という学生が一定数存在している可能性です。
ライフワークとライスワーク、という言葉が生まれて10年以上が経ちますが、学生の中でもこの考え方が自然と定着してきているのかもしれません。
こう考えると、働くことを冷静に捉える様子も垣間見え、頼もしさを感じます。
もちろん、「所属する企業でやりたい仕事を実現したい」や「プライベートを充実させるために仕事は割り切る」という考え方の学生も存在していると思います。
そう考えると、学生の「働くことに対する価値観」は明らかに多様化している、と言えると思います。
3.ジョブ型新卒採用の増加
ここまでで述べてきた通り、10年前と比較すると学生の価値観は多様化しています。(当然ながら、価値観が多様化しているのは学生だけではありませんが。)
従来、日本企業は終身雇用・年控序列型の、画一的な人事制度設計・運用を行ってきました。ただそれでは、この記事でまとめた「働くことへの価値観の多様化」や、「育児・介護等と仕事の両立」などへ対応することはますます難しくなっていくと思います。
これから更に少子高齢化によって労働人口が不足する中で、企業が人材を確保するためには人事制度も変わっていくだろうな、変わらざるを得ないだろうな・・・と思います。
もちろん、人事制度は策定と運用がセットですが・・・
一方、採用活動においても、学生の多様化する価値観に対応するために増えてきているのが「ジョブ型採用」です。
「就職白書2023」によると、24年卒での「職務限定型採用(ジョブ型採用)」の導入予定企業は、5000人以上の大手企業では17.2%と2割近くになっており、これからますます増えていきそうです。
ジョブ型採用については、別の記事でまとめたいと思います。
4.まとめ
今回は、学生意識の変化とそれに伴い起こっていることについてまとめました。
ではまた次回!
コメント